温熱超音波治療の概要
超音波治療には身体を温める温熱作用と非温熱作用というものがあります。
ここでは超音波の原理と温熱作用について詳しく説明していきます。
超音波とは?
超音波とは、人が感じ取ることができないくらい高い周波数の音の波のことです。
この音の振動を使って細胞を振動させるエネルギーを使うのが超音波治療機です。

超音波療法の温熱作用
細胞同士を振動させると細胞同士が乾布摩擦のように擦れて摩擦熱が発生します。
この熱を利用して身体の深部から温めて筋肉・関節を動かしやすい状態を作ります。

超音波にはもうひとつの非温熱超音波療法という方法もあります。
温熱か非温熱かを決めるのは、超音波の出力W数・デューティ比(発射頻度)を変えます。
出力W数を上げて発射頻度を高めると温熱作用が発生します。
出力W数を下げて発射頻度を下げると非温熱作用が発生します。
デューテー比とは超音波の発射頻度のことです。
20%だと5回に1回の頻度で発射される状態です。
これは非温熱超音波に使われます。
一方で今回解説している温熱超音波では100%で使用されることが多いです。

図1:デューティー比20%のイメージ。5回に1回発射される。

図2:デューティ100%のイメージ。常に超音波が発射されている状態。
温熱超音波治療の期待できる効果
温熱超音波治療は熱を与える効果と細胞を微細振動させるマイクロマッサージ効果により以下の効果が期待されています。
・筋肉、関節内温の上昇
・疼痛軽減
・創傷治癒促進
・局所浮腫の改善
温熱超音波治療の注意点
温熱超音波治療は治療中に温かさを感じます。
温熱超音波の場合、同じ場所に固定して当て続けると超音波が骨にあたり鈍い痛み(音波痛)が発生したり一点に熱が集中して熱くなってしまいます。
ですので温熱超音波治療の時はプローブを動かしながら行います。
また熱を発生させますので、痛めた直後(急性期)等には向いていません。
温熱超音波は痛めてから時間が経っている時に血流改善させたりするのに期待できる治療法になります。